地域ブランド
近江の麻
近江ちぢみ
約600年前から続く麻織物の産地には、蓄積された経験と技術、知恵があります。
産地としての「ものづくり」は伝統の良さを生かしつつ、暮らしの変化にともない、改良し続けています。
天然素材の「麻」の魅力は、吸水性と乾燥性があり、清潔に使えることです。
そして使えば使うほど柔らかくなり風合いと心地良さが増していきます。
麻織物と向き合い続けている産地として、ニーズに沿ったものづくりを追求しつづけています。
近江上布伝統産業会館のオリジナルブランド「omi-jofu]では、
伝統の良さを最大限に生かしつつ、
手織りや機械織りで生み出された作り手の見える製品を提案しています。
また、地域ブランドには「近江の麻」、シボ加工し、通気性に優れた「近江ちぢみ」を登録しています。
・近江の麻(第5134569号)
・近江ちぢみ(第5134626号)
素材
伝統の良さを守りながらも新しい技術を取り入れ、さらに質の高いデザイン性や感性を備えた地域ブランドとして「近江の麻」が生まれました。日本古来の素材苧麻(ラミー)だけではなく、明治中頃に普及した欧州の麻亜麻(リネン)の柔らかさと感触が現代人の感覚に合い、洋服、雑貨、インテリア、寝具などに使われ、現在はリネンが麻織物の生産の主流となっています。
染めと織り
「近江の麻」はほぼ機械による染色と織りです。近江の麻には染色技法の定めはありませんが、伝統を引き継いだ先染め(糸染め)で織った布は、色落ちも少なく、色合いも穏やかで優しい印象を与えます。
近江ちぢみ
仕上げ加工
「近江の麻」と同様に産地の新しい地域ブランドである「近江ちぢみ」。麻布に接触冷感をもたらすちぢみ加工も現在は機械化が進みましたが、以前は手と「シボトリダイ」と呼ばれる独特な線が刻まれた板で布を揉んで縮み(シボ)をつけていました。
手もみは非常に手間がかかり量産は難しいですが、職人が手の感覚のみでシボをつけるため布の細部にまで気を配ることができ、調整がききやすい特徴があります。手もみ仕上げの麻織物は少ないものの、現在でも続いている技術です。
「近江の麻」「近江ちぢみ」を通じて、広く多くの人が麻織物を知り、日常的に使うきっかけとなっていくことが、伝統工芸品「近江上布」を守っていくことにも繋がっていきます。